開演前の空気が好き

舞台中心の感想置き場です。

ミュージカル刀剣乱舞〜陸奥一蓮〜 刀ミュ新作感想・微考察 ─「弱きもの」と三日月、自らを「弱きもの」と定義する三日月

久々のTDC

 

刀ミュ新作公演「陸奥一蓮」を観ました。

凱旋公演のほんとに後半の1回しか取れなかったので結局またひと月半くらいツイ禁してました笑

1回しか観られていないため、気づけていない部分や的外れな部分もあるかもしれませんがご容赦ください。

 

 

公演概要

あらすじなどの解説は公式から出されていないため、割愛します。

musical-toukenranbu.jp

※↓ネタバレ・2部ネタバレ注意

 

 

 

※以下ネタバレを含みます。

 

 

 

 

三日月宗近について

誤解を恐れずに言うと三日月のこと見直した

「弱きものを守る」って、さまよう言い訳だったのではないかと思った

「負けると分かっている戦」=「見つからないと分かっている探しもの」(=折れてしまった刀探し)分かっていてもなぜやめられないのか、三日月自身が一番分かっていなかったんだ

だから自分と同じ立場(だと三日月が感じた「弱きもの」たち)のものに聞いてまわってその答えを探していた

つまり自分自身を「弱きもの」側だと思っていたんだ(まじかよ)

これが分かってめちゃくちゃすっきりしたーーー!ーーーー!!、、!
三日月は決して神のような傲慢さで人を救おうとしていたのではなかった(無意識にあるかもだけどそれだけではなかった)
とはいえ私はまだ明石と同意見ですけどね。

田村麻呂の「もしもの話」はこの話にもかかっているんだと思う(もし初期に顕現していなければ、もしあのとき出陣していなければ、もし自分があのときもっと強ければ……あの刀は折れることはなかった)
「戦えば迷いが生まれる」という田村麻呂の台詞も(なぜ、何のために戦っているのかという迷い)

ということはつまり時間遡行軍と戦っている理由は刀ミュの世界線でも政府から共有されていないっぽい

三日月はその「戦う理由」を早くなくそう(≒早く終わらせよう)としたのではないか?
歴史に大きな影響を与えない程度に「弱きもの」を助け、その恩により自分の手駒とさせることで刀剣男士による歴史保護を円滑に進める協力者に仕立て上げる
個々では影響がなくともちりもつもれば……と何か影響が出そうでこわい
というかたぶん三日月も薄々気付いてるけど、それでもやめられないんだろうなあと思う(ここにも負けると分かっている戦に……というのはかかってそう)

ここで「三日月宗近という『機能』」っていう言葉が気になってくるわけですが、

─⚠︎ここから想像上の話⚠︎─

これ全部政府の計算尽くなんじゃないかと思ってしまった
というのも実際三日月宗近の失踪自体は大侵寇としてすべての本丸で起こったことなので……
大侵寇での三日月宗近の失踪→発見までのプロセスが、もし本丸ごとに違っているとしたら、刀ミュ本丸ではこう!っていうのが今回明かされた話???
(刀ミュ本丸ではまだ引き戻せてないけど……)

最後、阿弖流為と母體の処刑直前のシーンで「数えるのは、やめた」という大侵寇の三日月の台詞とまったく同じ台詞が出てくることもこの説(おおげさ)の根拠のひとつになりうるかなと思う……

 

 

田村麻呂のキャラクターについて

今まで刀ミュでもしてきた「こういう記録が残っているからこういう人だったのでは?」と推測することについて正面から勝負仕掛けてきたなと思った笑
きちんと史実に残っているわけではないし、こういうこともあったかもしれないよね?を逆手に取って上手く使ったなと……

 

鶴丸国永について

三日月を誘き寄せるために水心子を本気で折れる(寸前)までボコボコにしようとする鶴丸、やっぱ擁護できないやべーやつだなと観劇時は思ったんだけど
これまでの鶴丸は「最終的に相手のためになることしかしていない」というツイートを見てそれもそうだなとも……
今回のボコボコ事件に対して好意的な解釈をするならば、やっぱり三日月相手ってことで普段とは比べものにならないくらい冷静さを欠いていた可能性はあるかなと思った

そのやばさ加減は、いつ、なぜ出てきたのか……今回の話の感じでいくとやっぱり三日月失踪後からだろうなって気はするけど
伽羅ちゃんがどのタイミングで来た(→こてんぱんにぶっつぶした)のか気になってたけど三日月失踪後すぐとかだったかもな……と思った
倶利伽羅鶴丸の心を救った→救うためには堕ちている必要があるのでおそらく大倶利伽羅顕現前には三日月失踪してるのだろうな

 

蜂須賀虎徹について

今回改めて、蜂須賀虎徹って本当に優しい刀だなと……
今回は疑問に対するそれぞれの対応の仕方っていうのが最古参三振り以外の四振りについてはよく出てた作品だったと思う
加州…聞きたいけど空気読んでやめる(←気まずくなりたくないから)
蜂須賀…(自分からは聞かない)
水心子…調べる、考えすぎて夢に出てくる(かわいい)
大包平…すぐ直接聞く(→こうとする)
やっぱりこのあたり加州と蜂須賀似てるとこあるなと思った(これは私の推測だけどその根本の考え方は違いそうな気はする)

蜂須賀は今回(たぶん)唯一昔の話について劇途中で直接言及がなかった(「優しい」の話がたぶん間接的にこれを指していた)と思うんだけど(違ったらすみません)、それは決して興味関心がないからではないということが最後の夜泣きそばお話会のシーンで分かるのがぐっときた

加州と同じように薄々察してはいて、でもそれを話させることは相手につらいことを思い出させることにもなってしまうことをわかっていて、でも本当はやっぱり聞きたいんだなっていうのが分かるすごく良い台詞だったなと思う。

水心子に大福を持って行ってあげるシーンも蜂須賀の優しさが出ていてすごく良かった。
言わないでねと言われたのに清麿に頼まれたことだったと水心子に言ってしまうのは、感謝を向けられるべき存在は自分ではなく(頼まれてくれて話も聞いてあげてるのでその点ではもちろん感謝を向けられるべき存在だが)清麿なのだから、言ってしまえば手柄を横取りするような行動はどうしてもできなかったんじゃないかなと思った

 

「折れた刀」について

「僕たちは主の愛で咲く花なんだ」(うろ覚え)この一人称でやっぱり折れた刀が歌仙(おそらく初期刀)だと確定したわけですけれども……
そして一番奥にある一番立派な桜の木は歌仙の桜の木だったということも同時に気付いてぞくっとした……
木の感じから言うともう50〜60年くらいは経っていそう

 

花当番について

花当番を水心子に任せる→これまで古参ばかりで行っていた庭の手入れを本丸全体でするようになる→花を残した刀の痕跡を皆が知ることになる
このくらいは普通に予見できるだろうし 昔のことを本丸全体で共有するべきときが来たという審神者の判断でもあったのかも?と思った
何でだかは分からない(大侵寇来るとかもあり得なくはなさそうだけどなんでそんな前から察知できてるのという話にはなる)(三日月が特異点、原因であるならそろそろ来るかもという推測くらいはできるのかも……?)

 

蝦夷(エミシ)」の描かれ方について

蝦夷」自身が「みちのく」(最後のシーンだけだけど「蝦夷」も)と言ってるのにちょっと違和感があった どちらも朝廷側が彼らを呼んだ言葉なので……
記録が残っていないから彼ら自身が自分たちのことや土地をどう呼んでいたのかは分からないけど、「我ら」「我らの大地」とかでも言い換えられるんじゃないかな〜と……

 

蝦夷」たちのシーンの劇伴、ちょっと口琴ぽく聞こえたのだけど意識されていたのだろうか
ちなみに口琴というと北海道や樺太アイヌ、台湾などのイメージが強いが日本本土でも口琴が発掘されている例はあるみたい
参考…(論文のPDFにとびます)

http:// https://teapot.lib.ocha.ac.jp/record/33855/files/03_19-24.pdf

 

これは2部の話とも被るんだけど今回「蝦夷」の人たちに象徴的な動きとして足で地面を踏み鳴らす、というのがあったけど(刻み込む)
これもあって炎舞の太鼓パート花影より長かったのかなと思った

 

「弥彦」という名前も個人的にはかなり和人というかヤマトっぽくない……??と思った
新潟県弥彦神社から取ってるのかなとも思ったけど今回の舞台は胆沢(太平洋側の東北)あたりだし日本海側の平定がどんな感じだったのを調べないと由来がどのあたりまで遡れそうかわからないので調べる

 

蝦夷だし蕨手出てくるかなと思ってたけどちょっと違いそうだった……?
弓はちゃんと中型だった(和弓ではない形)
参考…

fieldnote.info

朝廷側の刀はちゃんと直刀だった!
朝廷側鎧の種類が身分によって違ってて良かった 下級兵用の材質が革っぽかったのもあとで調べてなるほど桓武期となった
参考…

costume.iz2.or.jp

 

弥彦について

実はかなり重要人物(機能的に)
①三日月の心を救い
②「残虐無比な田村麻呂」に殺される
そして
③「もしも」を(観客に)強く思わせる動機になる
三日月を救うのは無欲なものでなくてはできない(「◯◯してほしい」という思いに縛られているためそれを無効化できる存在でないと心に言葉が届かない)ので幼子でなくてはならなかった

 

その他雑多な感想

・三日月の殺陣が信じられないくらい美しかった これはひとりでさまよっていても生き残れちゃう強さだ……

・蜂須賀が「優しい」というといちいちがわ反応してしまう やっぱりある程度長くいる男士たちはどこかでみんな薄々気付いていたんだなと思った(山姥切が誰かを失っているということに)

・最後のシーンの蜂須賀の「待てない」の言い方が……メチャヨイ(これアドリブだったみたいで台詞毎回違ったりなかったりしたようです)

・まんば先輩の最後の戦闘BGMが美しきひとひらなの、良い……テーマソングだ
花影の長谷部でも思ったけど1部でソロ歌った曲が戦闘中リプライズで流れると(今回は前作からだけども)めちゃくちゃたぎりますね

・まんば先輩と大包平、加州と蜂須賀の一緒に(けっこうヘビーな)出陣した組が仲良いというか気の知れた仲って感じなのすごくいいなーと思った

・最後の……歌仙にも三日月にも置いていかれ、寂しそうにひとりで盃を傾ける鶴丸があまりに可哀想で……
初めて三日月のことをかわいそうだと思った

 

2部

ソロ: 蜂須賀、加州、鶴丸

・一曲目、刀剣男士にもダン士さんたちにもやたら絡みまくる蜂須賀笑

・なんか大包平さんダンスめちゃくちゃ上手く
なってません!?!? いやもともと動けるし踊れるのは知ってるんですけど いい感じに(主に肩の)力を抜けるようになって余裕が出てきたような……
そして身体がしっかりしてるのと姿勢がいいからすごくダンスが映えるんだよな

・日替わりMC今日大変なことになってた笑笑

・蜂須賀念願のソロおめでと〜〜〜〜!!と心の中で祝福していた
Twitterでちらっと日替わりでソロらしい……というのは知ってたんだけどまさか引けるとは思わなかった泣
というか歌詞完全に私信にしか思えなかったんですが……
蜂須賀の信じる虎徹としての理想のあり方を歌っていたように思う

・炎舞〜〜〜〜!!!!意外だった 好きな曲なので個人的に感謝
もうあのイントロを聞いた瞬間に戦闘態勢に入ってしまう身体にさせられてるので笑
一番直近の作品の曲をこの古参多め編成で演ってくれるなんだか嬉しいなあ〜
キスキスキスで思いっきり腕をぶん投げる大包平が好きです
炎舞(ていうか花影曲全般)振り付けにけっこうウェーブ入っててセクシーな感じなんだけどそれを忠実に再現してセクシーになってる水心子、水心子様だった 

 

以上です!

配信見ようかどうしようかと思っているうちに時間が経ってしまった……

ソロ全員分聴けてないのでどこかのタイミングでコンプしたいと思います!

最後まで読んでくださりありがとうございました。