開演前の空気が好き

舞台中心の感想置き場です。

アイナナ記念日2024楽曲『MEDiUM』歌詞考察(?)

画像は公式特設サイトより

 

アイナナ記念日おめでとうございます!!
今回は楽曲「MEDiUM」の歌詞について考察してみました

 

特設サイトの「物語」を読み楽曲を聴いている中で「これはどういう意味だろう……?」と思った点が多々あったので、少しでも楽曲で語られている内容を掘り起こせないかなと思っていろいろ考えてみました

 

ここではIDOLiSH7のメンバー本人の個性や関係性などはいっさい考慮せず、公式の特設サイトに掲載されている歌詞と「物語」のみをヒントにしています

(なお筆者はマネ就任ひと月未満のド新規のため、メインストーリー2部までしか読めていませんのでご了承ください)

idolish7.com

 

※歌詞は上記の特設サイトに掲載されたものを改行やスペース含めそのまま直接引用しています 文章中では〈〉で括っています
※【】内では公式サイトの「物語」を部分的に直接引用しています

※画像等の引用は公式のガイドラインに則っています

 

※すべて個人の感想です!!正解を探す意図はありません
こういう考え方もできるかもな〜という程度に読んでいただければ幸いです

 

本当に長くなってしまったので気になるとこだけ読んでいただければ幸いです……

 

 

 

タイトル『MEDiUM』について

まず最初に、タイトルになっている「medium」の意味を考えてみます

medium …

①中くらいの、中間、媒体、メディア(単数形)、伝達手段、霊媒
現代の日本でよく使われている「何かと何かの間に存在するもの」「何かと何かを繋ぐもの」という意味

②油絵などで使用される溶剤、展色剤
絵画関連の意味 「画家」の存在とつながってきそう
(現在ではアクリル絵具と混ぜて質感などを変える画材のことを指すことが多いです)

また、画材用語としては通常、英語読みの「ミディアム」ではなくラテン語読みで「メディウム」と呼びます(ホルベインのアクリリックメディウムとか)

「何かと何かを繋げるもの」という意味合いが①と②で共通しています

③芸術家の芸術領域、表現手段
唯一タイトルが歌詞に登場するラスサビの〈この世全てがMEDiUM -メディウム-〉
この〈MEDiUM -メディウム-〉はおそらくこの意味で、
「この世のすべては芸術になりうるものである」とも解釈できるかなと思います(後述)

 

以上から、

「画家」が絵を描く
→さまざまな色の絵の具が「メディウム」によって塗り広げられ、重なり、混じり合う

この「絵の具」を「人」(IDOLiSH7のメンバーにはそれぞれ数字と色が振り分けられているので、それぞれ入れ替え可能と考えられる)に当てはめてみると、

→「画家」の絵をきっかけに、さまざまな人々(の人生、運命)が重なり、関わり、繋がり合う?
→「画家」は人々を繋げる存在?

という解釈もできるのではないかな……と思います

(2部16章の陸くんの台詞「歌は人の心を繋いでいくものだと思うから。」を思い出させますね)

また、これを踏まえると、「物語」に記述がない上に非常に抽象的なラスサビ中盤の内容がとらえやすくなったように感じました(後述)

 

 

キャラクター名について

Painter」、「Gardener」、「Noble」、「Clown」、「Marionette」、「Musician」、「Knife」と、歌詞中で7人のキャラクターを表す語はすべて英単語で表されています

特に「Painter」と「Gardener」という語や彼らを表す表現が、公式ページの歌詞表記で必ず同じ行に入っている(長くても絶対に改行されていない)ことから、「画家」と「庭師」ふたりの存在が不可分であることを示している?と思われます

名もない Painter 暮らす傍らに 心を預ける Gardener

傷負って庭よろめく背 そっと撫で生きようと筆捨てる手

↑の部分ですね ↓の「貴族」を示す表現の倍以上長いですが改行されていません

逆に、「Noble」はどれだけ短い歌詞でも絶対に改行されていて、他の人物名と同じ行に入ることはありません
こういった部分でも「貴族」の孤独を表現している?と解釈できそうです

比類なき Noble

孤独に泣いて豪奢に埋もれた目

↑この部分です

 

曲について

内容は関係ないのですが、歌詞だけじゃなくこの楽曲自体が本当に好きで……
まずチェロがメインな時点で好きなんですが……この曲なんとブレスが入ってる!!!!(冒頭4小節目と5小節目の間) クラシック好きの方には分かってもらえると思うんですがチェロの音源の醍醐味ってブレスじゃないですか……!(?) まさかこんなところで聴けるとは思わなかったので嬉しかったです
あとサビのボーカルの裏で鳴らしてるラ(A3)〜 ソ ファ# ミ レがこれぞチェロの高音域という感じですごく好きです 引いてる手を想像すると萌える

チェンバロ(たぶん)が入っていることで古楽っぽさが出ていて、中世イタリアっぽい世界観に合っていて好きだな〜と思いました

あと2番でベース(コンバスかな?)がゴリゴリに響いてくるところも好き……

スタッカートとスラーが明確に使い分けられてて独特のリズムを生んでいるところも異国情緒があって好きです

好きですしか書いてないんですがつまるところ本当に好みの曲です!

 

 

以下順番に歌詞の内容を見ていきます

前奏

Let's steal the applause... do the magic trick!
Let's steal the applause... do the magic trick!

steal …盗む、盗み取る、盗み見る、(キスなどを)気付かれないようにこっそりする
applause …拍手、喝采、賞賛
magic trick …手品

→さあ喝采を盗み出そう、手品を披露しよう(直訳)

「物語」を読んだ上でこの歌詞を見ると↑の〈steal〉=盗むというワードが気になります
この〈applause〉を単なる「喝采、称賛」でなく「喝采、称賛”を受けるべきもの”」と解釈すると、つまり「価値のあるもの」

→「【街で一番価値のあるもの】を盗み出そう」ととらえることもできる?

 

1番Aメロ 「Twilight Troupe」が訪れる前の街の人々

名もない Painter 暮らす傍らに 心を預ける Gardener

「心を預ける」=信頼する、心酔する
英語だとtrust someone with one's heart =心の底から(人)を信じる

→公式ページの「物語」によると経済的には「庭師」が「画家」を支えていますが、この歌詞を見ると精神的には「画家」の方が「庭師」を支えている可能性がある?

 

ひっそり日々はあった

→【貧しいながら2人は楽しく暮らしていた。】

 

比類なき Noble

Noble …貴族、高貴な人

→【街一番の貴族】

 

同じ空の下
交わらない運命をただ刻んでた

→同じ街に住んでいる「画家」と「庭師」、「貴族」の運命が交わっていない=交流がないことを指している?

(→この状態から変わっていくことを示唆している?)

 

 

1番Bメロ 「Twilight Troupe」の来訪

ある時
不思議を仕掛けるように

不思議を仕掛けられるのは誰か?

→次行で書かれている〈飛行艇〉が〈舞い降りた〉街全体?
もしくはAメロの流れを引き継ぐと、「画家」と「庭師」、「貴族」の3名?

 

舞い降りた 飛行艇 -Illusionist-

飛行艇→【空飛ぶ奇術芸団】「Twilight Troupe」のこと

Illusionist …奇術師、占い師 magician (手品師)よりも規模が大きい ちなみにIllusionは錯覚、錯視の意

Twilight …薄明(日の出のすぐ前や日の入りのすぐ後の、空が薄明るいまたは薄暗い時のこと)、人生などの衰退期、曖昧さ、不明瞭さ、朦朧
物語や歌詞で言及されている煌びやかなステージの様子と「薄明かり/薄暗さ」とが噛み合わない気がする(表の顔と裏の顔って感じでギャップあるのもいいかもだけど)ので、ここでは最後の「曖昧さ、不明瞭さ、朦朧」の意?

Troupe …一座、一行

「Twilight Troupe」を訳すと「朧の一座」?

 

観覧自由 但し… ひとつ宝を盗んでゆくと噂の

→【Twilight Troupeは見物料が無料の代わりに、街で一番価値のあるものを盗んでいくという噂があった。】

 

 

1番サビ 人々を魅了する「Twilight Troupe」のショー

おどけ Clown 合図したら始まるは華麗なショー

Clown …道化師、ピエロ、ひょうきん者、[話]無作法者、[米俗]嫌な男
【奇術芸団】の話なので明確に前者2つの意味

また特に『whiteface clown』は顔を白く塗った伝統的な道化役で、サーカスなどではボスの役割をする
↑おそらく「団長」はここから

→【クラウンの合図でTwilight Troupeのショーが幕を開けた。】

 

Marionette に陽気な Musician

marionnette …操り人形、操り人形を使った人形劇
musician …音楽家、作曲家、演奏家

→【音楽家が会場を盛り上げ 人形劇に子供たちは興味津々】

 

見せるまばゆい 一夜の夢 -エフェメール-

エフェメール Éphémère(フランス語) … 儚い、一瞬の、かりそめの、短命な

→光が強すぎてまぶしいほどの、儚い幻想をTwilight Troupeは人々に見せる

 

誰もが夢中 華やぐ空

→〈華やぐ空〉、また「物語」の
【窓の外を見るとショーはまだ続いており 煌びやかな光と楽しげな音に満ちていた。】
より、窓から見えるということはショーは屋外で開催されている

 

人々は酔いしれて

喜びという絵になった

人々は完全にショーに熱狂した(=〈喜びという絵〉として完成した)
→「画家」が描くまでもなく、目の前の光景は芸術として完成されていた

→これによって「画家」は自分自身の手で絵を描く意味を見失ってしまった?

 

Oh! Magic tricks on stage

→ステージでの手品(直訳)

 

喝采とボルテージ

ボルテージ voltage …熱のこもった調子、意気込み、気勢、電圧、電位差

→熱狂する会場や人々の描写?

 

 

2番Aメロ ショーを楽しむことができない3人

止まないどよめきは街で波打って

→ショーがいかに素晴らしかったか、評判が街中に広がっている

 

喧騒に置いて行かれた寂しさ隠す

→街を駆け巡る噂のざわめきは、ショーを楽しむことができない人たち(=「画家」「庭師」「貴族」)の存在を覆い隠してしまうほど大きい

ここ2行分を歌っているのはまさにショーを楽しむことができていない「画家」と「庭師」

 

孤独に泣いて豪奢に埋もれた目

宝物が奪われることを恐れて引きこもっている「貴族」だが、同時に孤独にも苦しんでいるという矛盾

→埋もれるほどの宝物を持っていても、「貴族」の心は満たされていない

 

傷負って庭よろめく背 そっと撫で生きようと筆捨てる手

→怪我を負った「庭師」と、生活費を得るために絵描きの仕事を諦めようとする「画家」

「庭師」と「画家」はここでも改行されていない

この2行、目(め)、背(せ)、手(て)の3つで「エ」音の韻を踏んでいるし、いずれも身体の部位を指す語で3人それぞれの様子を描写していて非常にテクニカルですね……

 

歓声はるか遠い

→それぞれに傷を抱えた3人は、ショーの歓声(=喜び)から遠いところにいる

若干繰り返しになりますが、

「庭師」…肉体的に怪我を負っただけでなく、「画家」に絵を諦めさせることになり心を痛めている

「画家」…画業だけでは生活していくことができない、つまり自分は評価されていない、価値がない存在であるということを突きつけられ、諦めることを余儀なくされる

「貴族」…奪われることを恐れて人と関わることができず、孤独を感じている 経済的・文化的には裕福で宝物に囲まれていても、心は満たされていないことが浮き彫りになる

これが「Twilight Troupe」が訪れたことによって起こった3人の内面の変化だと考えられます

 

2番Bメロ ショーに魅了される人々とそうでない人々を内包する街

煌めくライト花を添えて Knife 投げ 揺れる満場

→【ナイフ投げの一挙手一投足に会場は緊張に包まれる。】

〈花を添えて〉という表現について
「ナイフ投げ」の衣装を見てみると長い袖に薔薇の飾りが入っているので、「ナイフ投げ」が手を動かすたびにその薔薇が揺れるという描写?

 

光と影を胸に抱いて 街の夜は更ける

光=輝くライトと喝采を浴びる「Twilight Troupe」、またはそれを見て喜ぶ人々

影=一座が来訪してから傷ついた/傷を自覚した「画家」「庭師」「貴族」

→街は華やかなショーや浮かれる人々と、傷ついた人々の両方を内包する

→「夜は更ける」=時間経過の描写?

 

 

2番サビ 「画家」と「クラウン」

最後の願い キャンバスへとその様を描いてた

画家の〈最後の願い〉とは何か?
(「物語」では【最後にしよう──】としか書かれていない)

ショーを観た画家は【自分の絵はこんなふうに人を喜ばせられない】と感じた

→ということはその逆「自分が描いた絵で人を喜ばせたい」というのが〈最後の願い〉?

 

キャンバスへとその様を描いてた
→【画家は今日見たショーを思い出しキャンバスに向かった。】

 

誰かの前降り立った

〈その様を描いてた〉-〈誰か〉=「画家」

→【ふと隣に視線を向けると影があった。】

ここの〈降り立った〉や〈飛行艇〉という表現など、「Twilight Troupe」は空から舞い降り、地上の人々の運命を引っかき回すイメージなのかなと感じました

 

Wonderful to meet you

→「お会いできて光栄です」(直訳)

歌っているのが(おそらく)「クラウン」「音楽家」「人形使い」「ナイフ投げ」の4人なので、これはおそらく「Twilight Troupe」の代表である「クラウン」の台詞
(=「画家」の台詞ではない)

↑追記:よーーーく聴いたら全員歌っていそう……??
そう考えると「画家」と「クラウン」双方にとって、ひいては関わる人々全員にとって素晴らしい出会いだったということ……?

 

微笑うシルエット

「微笑う」と書いて「わらう」と歌っている

シルエットということは部屋の中で全身が暗く際立って見えている状態=表情は見えていないはず……

なのに「画家」は「クラウン」が微笑んでいると分かったのか?

※描写がないため推測※
「物語」のイラストを見てみると「クラウン」はひざまづいて手を差し出していて、きっとその動作がすごく丁寧で優しかったんじゃないかな……?と思いました(ただの感想)

 

 

Cメロ 「クラウン」に絵を託す「画家」

こんな絵でもいいなら

→【画家は他人が自分の絵に価値を見出してくれたことが嬉しく】

 

Dear stranger

→「親愛なる見知らぬ人よ」(直訳)

dear …親愛な、いとしい、大切な
stranger …見知らぬ人、よそ者

→「画家」にとって「クラウン」は「見知らぬ人」であるが、自分に価値を見出してくれたことで「親しい、いとしい、大切な」人だと感じている

 

見つけてくれた君へ託すよ

→【見つけてくれてありがとう、絵はまた描けばいいからと描き終えたばかりの絵をクラウンに託した。】

 

 

ラスサビ前半 街を去る「Twilight Troupe」

おどけ Clown

挨拶して幕閉じた華麗なショー

1番サビと対照
合図したら始まる華麗なショー〉と〈挨拶して幕閉じた華麗なショー〉できれいに対になっている

→【華々しいショーは幕を閉じ】

 

飛行艇 -Illusionist- は次の街へ

→【飛行艇は次の街に飛び立った。】

 

まばゆい夢を連れて

〈まばゆい夢〉といえば1番サビの〈見せるまばゆい 一夜の夢 -エフェメール-〉

そしてこの部分は「画家」のソロ
〈まばゆい夢〉=「画家」の〈最後の夢〉?

→人々を喜ばせる、夢のようにまぶしいショーのこと?

 

ラスサビ中盤 盗まれた絵と残された人々のその後

街ではひとつ盗まれてた とある絵が視線浴びた

〈盗まれ“て”た〉〈視線浴びた〉
これらが気になる……

〈盗まれてた〉(過去進行形)…
「盗まれた」(過去形)ではない→現在、盗まれている(=絵が「Twilight Troupe」の手の内にある)状態ではない可能性がある?
あとメロディー的に「盗まれた」でも全然歌えるのに「て」をあえて入れてるのが気になる

〈視線浴びた〉…
盗まれたのなら実物は街にないので、視線を浴びることは不可能
「画家」の描いた他の絵、という可能性もあるが、〈盗まれ“て”た〉の違和感とつながるので

→「クラウン」は一度は「画家」の絵を盗んだが、何らかの方法で返還し、その〈とある絵〉が現在人々の視線を浴びている??

でも盗んだものを返すか……??返してしまったらそれは盗んだとは言えないのでは……?とも思うのでちょっと自分でもあまり納得してないのですが、この部分から覚えた違和感に説明をつけようとしたらこうなったという感じです

 

孤独を慰めたその絵は 運命さえも回す

この物語中での〈孤独〉=「貴族」

→つまり「貴族」の〈孤独〉を〈その絵〉が癒した?
→それによって「画家」と「庭師」、「貴族」の3人の〈運命〉までもが変わっていく?

 

※以下「物語」にまったく描写がないため推測※

一旦「クラウン」に盗まれた絵のことを聞きつけた「貴族」は〈その絵〉をなんらかの方法で鑑賞した?

→〈その絵〉を観ることで華やかなショーを追体験した「貴族」は、ショーを観た人々と同じように魅了され、喜んだ?

→「貴族」は〈その絵〉を買うことで【街で一番価値のある宝】と認められたものを自分の手に入れようとした?

→そして「貴族」は〈その絵〉を〈視線〉を〈浴び〉る状態、つまり人々に対して公開した?
(「貴族」は自分の宝物を奪われるかもしれないという恐怖から解放され、美しいものを愛でる気持ちを共有したいと思うようになった?)

→それによって「画家」「庭師」「貴族」の運命が交わることになった?

→これが〈運命さえも回す〉ということ?

孤独な「貴族」がどうやって盗まれた絵のことを知るのか問題はあるけど、自分のものが盗まれてない=別の誰かのものが盗まれた ってことだから、一体誰の何が盗まれたのか「貴族」はすごく気になるんじゃないかなと
これが孤独を打破するひとつのきっかけにもなってたりするんじゃないかな〜と思いました

絵を買うほかに、「貴族」が「画家」を自分のお抱えの画家にした、なども可能性あるかなと思ったけど、その場合その〈とある絵〉が視線を浴びることには直接的にはならないと思ったので除外しました(が、こっちかもしれない)

 

なお、特設ページの最後のイラストの小話(?)「貴族の憂鬱」は、
これより前の時系列なんじゃないかな?と思っています まだ孤独だったときの話なのでは……と

※推測ここまで※

 

ラスサビ後半 「Twilight Troupe」が街にもたらしたもの

さあ、ショータイムなにが起きた

ここで時間が遡っている(ラスサビ前半でショーは終わり、「Twilight Troupe」はすでにこの街を離れているため)

→以下は楽曲全体のまとめパートだと思われる

 

描かれた情景は…

歌詞に「…」三点リーダーが使用されているのは、ここと、1番Bメロの〈観覧自由 但し… ひとつ宝を盗んでゆくと噂の〉の2箇所のみ
〈但し…〉の部分では、そのまま直後の〈ひとつ宝を盗んでゆく〉につながっている

同じ用法で使っていると仮定すると、
〈描かれた情景〉→直後の歌詞〈この世全てがMEDiUM -メディウム-〉?

 

この世全てがMEDiUM -メディウム-

記事冒頭で挙げたmediumという言葉の意味を当てはめてみると

①〈この世全て〉が「媒体」
②〈この世全て〉が「展色剤」
→〈この世全て〉は「何かと何かを繋げるもの」?
→〈この世全て〉は繋がっている、繋がりうるもの?

③〈この世全て〉が「芸術領域」
→この世のすべては芸術になりうるもの?
→「画家」はこの世のすべてを芸術として表現できる、ということ?

 

そして前行の〈描かれた情景〉とつなげると、
「画家」が描いたのは
→〈この世全て〉
→「Twilight Troupe」が訪れたことによって変化が起きた〈街〉全体?
という解釈も可能かな……と思います

 

ただ、「…」の用法が〈但し…〉の部分と同じではない可能性も十分あります
その場合は単に
「〈描かれた情景は…〉さて何だったでしょう?」という単なる疑問の投げかけなのではないかなと思います

 

Oh! Magic tricks on stage

→ステージでの手品(直訳)
1番サビの繰り返し

この〈stage〉について、前行の〈この世全てがMEDiUM -メディウム-〉の解釈を繋げると、
単なる「舞台上」のみとしてだけでなく、〈街〉全体が「Twilight Troupe」にとっての〈stage〉だった、とも考えられるかも

→つまり、「Twilight Troupe」は舞台上でのみならず、〈街〉全体に手品、奇術をかけていったという意味?

 

喝采は誰に?

〈さあ、ショータイムなにが起きた〉
〈描かれた情景は…〉
〈この世全てがMEDiUM -メディウム-〉
〈Oh! Magic tricks on stage〉
喝采は誰に?〉

前述したように、最後の4行はこの曲全体のまとめパートになっていると思われるので個々でなく全体もまとめて考えてみます

①〈さあ、ショータイムなにが起きた〉に、前行の〈Oh! Magic tricks on stage〉の意味を拡大して解釈したことを適用してみると、
〈ショータイム〉は舞台でのショーだけでなく、「Twilight Troupe」が街に訪れていた期間全体のことだとも言えそう

②〈描かれた情景は…〉〈この世全てがMEDiUM -メディウム-〉では、
この世は全てが芸術領域であり、それを「画家」は描くことができる また、この世の全ては繋がっていると解釈しました

③〈Oh! Magic tricks on stage〉では
「Twilight Troupe」は舞台上でのみならず、〈街〉全体に手品をかけていったと解釈しました

→つまり「Twilight Troupe」の来訪によって
〈街〉全体に手品がかけられ
「画家」はその様子を描き
そしてそれによって人々(「画家」「庭師」「貴族」)の〈運命〉が重なり、繋がっていった
ということをこの楽曲で表現している??

 

また、冒頭の〈Let's steal the applause... do the magic trick!〉での、
[〈applause〉を単なる「喝采、称賛」でなく「喝采、称賛”を受けるべきもの”」と解釈するとつまり「価値のあるもの」
→「【街で一番価値のあるもの】を盗み出そう」?]

とした解釈を〈喝采は誰に?〉にも適用してみると
→【街で一番価値のあるもの】(を持っているの)は誰か?
→次に盗まれるものは何/誰か?
という、to be continued... 的な「Twilight Troupe」の終わらない旅を示唆していると解釈することもできるかなと思います

 

そして、「画家」の絵が一旦盗まれたものの返還されたと仮定するなら、その間何があったのか?
言い換えれば、「クラウン」は何のために絵を一旦盗んだ(=借りた)のかが謎です

そこで、ラスサビ4行を別の角度から読んでみると

〈さあ、ショータイムなにが起きた〉
〈描かれた情景は…〉
この部分で、「Twilight Troupe」のショーについてと「画家」についてとが繋げて書かれているのが気になります
→盗まれた「画家」の絵はショーで使用された可能性がある?

〈この世全てがMEDiUM -メディウム-〉
→「画家」の描いたものについての描写?

〈Oh! Magic tricks on stage〉
喝采は誰に?〉
→「画家」の絵によってショーがさらに素晴らしいものになり、喝采を浴びた?
→「Twilight Troupe」だけでなく、「画家」も喝采を浴びた、ということ?

とも考えられるかも、と思いました

 

 

まとめ 「物語」外のストーリー(※推測)

まとめといっても歌詞の内容はほとんど「物語」に書いてあるので、こちらでは「物語」に書かれていないけどこんな話が隠れているんじゃないかな?と思ったところをまとめておきます

街ではひとつ盗まれてた とある絵が視線浴びた

「盗まれた」(過去形)ではない→現在、盗まれている(=絵が「Twilight Troupe」の手の内にある)状態ではない可能性がある?
盗まれたのなら実物は街にないので、視線を浴びることは不可能

→「クラウン」は一度は「画家」の絵を盗んだが、何らかの方法で返還し、その〈とある絵〉が現在人々の視線を浴びている?

 

孤独を慰めたその絵は 運命さえも回す

この物語中での〈孤独〉=「貴族」

→「クラウン」に盗まれていた絵のことを聞きつけた「貴族」はその絵をなんらかの方法で鑑賞した?
→その絵を観ることで華やかなショーを追体験した「貴族」は、ショーを観た人々と同じように魅了され、喜んだ?
→「貴族」は〈その絵〉を買うことで【街で一番価値のある宝】と認められたものを自分の手に入れようとした?
→そして「貴族」はその絵を視線を浴びる状態、つまり人々に対して公開した?
(「貴族」は自分の宝物を奪われるかもしれないという恐怖から解放され、美しいものを愛でる気持ちを共有したいと思うようになった?)
→それによって「画家」「庭師」「貴族」の運命が交わることになった?

 

さあ、ショータイムなにが起きた
描かれた情景は…
この世全てがMEDiUM -メディウム-
Oh! Magic tricks on stage
喝采は誰に?

→「Twilight Troupe」の来訪によって
〈街〉全体に手品がかけられ
「画家」はその様子を描き
そしてそれによって人々(「画家」「庭師」「貴族」)の運命が重なり、繋がっていった
ということをこの楽曲で表現している??

また、ラスサビ4行を別の角度から読んでみると
→盗まれた「画家」の絵はショーで使用された可能性がある?
→「画家」の絵によってショーがさらに素晴らしいものになり、喝采を浴びた?
→「Twilight Troupe」だけでなく、「画家」も喝采を浴びた、ということ?

 

 

以上です!!

分からないな〜と思って読み始めたものではありましたが、想像以上に分からなくて捏ねくり回してたらこんなに長くなってしまいました……

 

ちなみに前回の歌詞考察(?)記事はこちらです

fleurs-wisteria.hatenablog.com

 

ここまで読んでくださった方がどれくらいいらっしゃるのかほんとに分かりませんが……
最後までお読みくださりありがとうございました!