平成中村座姫路城公演(ほぼ旅行記) ─姫路城で江戸時代にタイムスリップ!
平成中村座の姫路城公演を観てきました!(2023年5月5日)
先に書いておくと、公演の感想を書き留めておくのを忘れたので以下ほぼ兵庫旅行の日記です。笑
公演概要
第一部
一、播州皿屋敷(ばんしゅうさらやしき)
二、鰯賣戀曳網(いわしうりこいのひきあみ)第二部
一、棒しばり(ぼうしばり)
二、天守物語(てんしゅものがたり)
一緒に行った友人のフォロワーさんが席を手配してくださいました!
元々は演劇調異譚「xxxHOLiC」-續- (通称ホリ譚)の兵庫公演に遠征がてら姫路城と平成中村座公演を観よう!という観劇旅行計画を立てていたのですが、残念ながらホリ譚が途中で公演中止になってしまい……
(もっくんも今は元気になったみたいでよかったです!)
ホリ譚予定だった1日目は神戸ハーブガーデンに行ってきました!
かなり広いのにすごく綺麗に整備されていました!
着いたのがちょっと遅かったのですが、ハーブについての展示を見たり温室をまわったり、テラスでおやつ休憩したりと楽しく過ごせました。
お土産も充実していて、母の日用にハーブティーなどをたくさん買ってしまいました。
三宮へ下り、晩御飯には友人の先輩がおすすめしてくれたステーキハウスに行ってステーキ食べました〜!めちゃ美味しかった……!
2日目は姫路へ!
姫路駅を出た瞬間、どどん!と見える姫路城にびっくり……!
どこからでもお城が見える街……初めての感覚でした。小田原城も見えやすいけど姫路城の方が高台にある分、見上げたらお城があるような感じ。
姫路城では鳥海さんと小野友樹さんのプレミアム音声ガイド(第2弾のほう・異様にクオリティが高いので行かれた際はぜひ聴いてみてください)を借りて聴きながらお城を見学したり、広場で黒猫を横目にお昼ごはんのパンを食べたりしました。
開演時間が近づいてきたので、三の丸広場へ。
足袋や手拭い、竹細工の出店からほぐし処まで多様なお店が並んでいました。
姫路のものというよりは東京からの出張版という感じだったので、東京から来た私たちは一通り眺めて会場前へ進みました。
会場前にはお弁当や飲み物売り場があり、今回は中途半端な時間だったので飲み物だけ買いました。
演目にちなんだ「中村屋ごのみお飲み物」!
お品書きによると、
「鰯賣戀曳網」は『Shio特製オーガニックジンジャーレモネード 金平糖添え』(ノンアルコール)
「播州皿屋敷」は『サントリージャパニーズクラフトジンROKU<六>と柚子リキュールのハーモニーにお菊さん添え』
だそうです。
見た目も可愛らしく、お味もおいしかったです!
(今思えば、どっちも見ない方の演目でした……笑)
うろちょろしていたらいい時間になってしまったので少々焦りながらチケットをもぎってもらい、靴を脱いで上がるとそこには……
歴史の資料集で見たやつ!!!!
お恥ずかしながら平成中村座のことをまったく調べずに現地まで来てしまっていたのでこういう小屋だということも本当に知らなかったんです……笑
でもこの驚きを味わえたので逆に良かったかもしれません。笑
というのも小学生時代江戸時代の文化を調べるのにメチャメチャはまっていた時期があり、こういう芝居小屋が憧れだったんですよね〜
大店の息子がデートにいい席といいお弁当を手配させたり、桟敷席に向かい合わせでお見合いしたり、町娘たちが贔屓の役者絵見せ合ってキャッキャしてたのかな〜とか考えるとたまりませんね……
最初はあまりに完成された空間すぎて写真撮っちゃダメなのかなと思っていましたが、やっぱりどうしても撮りたくてスタッフさんにお聞きしたところ撮影OKとのことで激写しました。笑
そしてそして、せっかくの機会なので奮発して松席をお願いしてはいたのですが、なんと前から2列目のほぼ真ん中という神席……!
歌舞伎をこんなに近くから観たのは初めてでした……!ありがたや〜
私たちは第二部だったので、棒しばりと天守物語を観ました。
棒しばりは軽快な踊りが流石の美しさ。
狂言が元の舞踊劇ということでコメディ感がありつつも、要所要所で品格もしっかりと感じられました。最近現代劇/舞踊ばかり観ていたのもあり、古典の「型」の持つ美しさを再確認した気分です。
長唄も華やかで、見ていてとても楽しい演目でした。
天守物語はご存知の通り姫路城にゆかりのある演目。
原作は未読なのですが、泉鏡花の耽美な世界観と歌舞伎の美しさ・静謐な音楽、そして現代らしさのある演出が融合して素晴らしかったです。
(ちょっと話がずれますが、この直前に別記事で書いた東京バレエ団の「かぐや姫」第2幕を観ていたので、そうそう和に合わせる音楽ってこれだよ!!と心の中でめっちゃ叫んでました笑)
fleurs-wisteria.hatenablog.com
そして何よりラストシーンの借景は迫力がすごい……!
こんなに贅沢なもの見ていいのかというくらい、しかも平場席だったのでまさに見上げたところに絵画のような美しさ。神々しささえ感じました。
中村屋だけでなく歌舞伎の役者さんには明るくないのですが、印象に残ったところでいうと個人的にはこのお三方でしょうか。
勘九郎丈:テレビでもよくお見かけするので私でも存じています。棒しばりの次郎冠者の踊りは見事の一言!天守物語の舌長姥はしっかり気持ち悪くて思わず笑いが漏れてしまったほどでした。しかしラストの桃六は一瞬勘九郎さんとわからないほど雰囲気が違っていて、役者の凄さを実感しました。
七之助丈:富姫の気品が凄かった……!浮世離れした美しさと天守の主としての威厳と、そしてこの世のものではないからこその無邪気さ。冒頭の亀姫や薄とのやりとりも愛らしかったですが、図書之助との見せ場も物哀しくすごく良かったです。
虎之助丈:若さあふれる図書之助がすごく良くて、もしかすると一番印象に残っているかも!武士の世の理不尽に翻弄される役どころですが、覚悟と誠意をもって行動するさまにとても重みを感じられました。立役と女方両方される方なんですね。第一部の鰯賣戀曳網ではお菊を演じられていたようで、そっちも見てみたかったなと後から思いました。お若い方なので、これから機会があったら東京でも観に行きたいですね。
感想が偏っていてすみませんが、メモ取り忘れたのに3か月経った今(8月半ば)でもこれだけ書けるほどなので本当に印象に残っていたんだと思います。
終演後は規制退場。前の席だったため最後の最後まで残っていたのですが、ご褒美に……とスタッフのおねえさんがとっておきの写真スポットを伝授してくれました!
このほかにも人がはけた状態の小屋の写真もたくさん撮らせてもらえましたし、しっかりと目に焼き付けながら帰れたのでありがたかったです。
このあとは姫路駅のつるまる饂飩(審神者にはおなじみかも)で夕食を取り、夜行バスで東京まで帰りました。
冒頭で宣言した通りほぼ旅行記になってしまいましたが、本当に楽しかった2日間でした〜!
ここ3年くらいはコロナ禍ということもあり遠征に行くときも一人が多かったですし、関西に祖母の顔を見に行くくらいしか誰かと一緒に遠出をすることがなくそれも久々でしたが、旅ってやはり楽しいですね。一緒に行ってくれた友人ほんとにありがとう……!!